2007/11/16 金曜日

「卵はひとつの・・・」[12]

Filed under: 金融工学よもやま話 — Doum @ 14:55:57

最近(でもないか、これを書いているときはたぶん最近)、はやっている歌、「おしりかじり虫」、非常に気になっているGMです、こんにちは.

リスク商品って(債券編)3

宿題は「10年物の国債を発行と同時に額面100万円分買ったとして、1年後に売却することを考えた場合、リスクのない金融商品とはいえないのですが、それはなぜでしょうか?」と、いうものでした.

それを、「将来のキャッシュフローを現在価値に割り戻す」という考え方を使って、説明しようとしているところでしたね.

さて、問題を単純にするために、ここに額面で100万円の満期まで1年の国債があったとしましょう.この国債の現在価値を考えることにします.利息(クーポンレート)は3%だとします.

「え?100万円じゃないの?」とお思いになるかもしれませんが、ここまでの情報ではまだいくらとは言えません.なぜかと言うと金利をまだ示していないからです.ここで正確に区別していただきたいのは国債の利息(クーポンレート)と金利(今後市場金利と言うことにします)は別物だということです.もちろん値として同じこともあるかもしれませんが.

では、1年の市場金利が3%のとき、この国債の価値(現在価値)はいくらになるでしょうか.まずこの国債のキャッシュフローを調べます.国債は半年ごとにクーポンが支払われますから、半年後に1万5千円、1年後に1万5千円のクーポン収入があります.これとは別に1年後に元本部分の償還が100万円あります.つまり

半年後:1万5千円

1年後:101万5千円

の、キャッシュフローということですね.これを現在価値に割り戻します.

半年後のキャッシュフロー1万5千円:>>>1万5千円/(1+0.03/2)

1年後のキャッシュフロー101万5千円:>>>101万5千円/(1+0.03/2)^2

0.03は市場金利の3%のことです.それを2で割っているのは半年間の金利に直すためです.「^2」は2乗をあらわしています.これらのことは、この計算を半年複利で行っていることを示しています.

これを合計するときちんと100万円になります.つまり1年の市場金利が3%のとき、この国債の現在価値は100万円ということになります.

「ほらやっぱり100万円じゃないか」

では、市場金利が2%のときはどうなるでしょうか.

半年後のキャッシュフロー1万5千円:>>>1万5千円/(1+0.02/2)

1年後のキャッシュフロー101万5千円:>>>101万5千円/(1+0.02/2)^2

これを計算すると100万9852円になります.100万円になりません.では、市場金利が4%のときはどうでしょうか.99万0292円になります.これも100万円になりません.このように現在価値が額面と同じ100万円になるのは市場金利がクーポンレートと同じ3%のときだけなのです.

今回はちょっと長くなってしまいました・・・また来週・・・

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