2008/4/2 水曜日

確率 3

Filed under: 金融工学よもやま話 — 雲岡 @ 20:16:15

ちょっと難しいので本の力を借ります。以下の本に書かれた挿話です。
Weighing the Odds: A Course in Probability and Statistics
条件付き確率2で話した、検査を受けて陽性が出て実際に伝染病に感染している確率をもう一度取り上げてみます。この確率は約8%でした。 で、ここに私の知り合いがやってきて、仮に彼の名前をギョオテとしておくと、私が感染している確率はどれぐらいなのかねと尋ねたとします。彼になんと答えればよいでしょう。

確率には大きく二つの見方があります。頻度派とベイズ派です。

頻度派は例えばコインを投げて表が出るか裏が出るか、これをずっと繰り返して表が出た回数を数える。すると表が出る割合は最初のうちは10回中3回などばらつくかもしれないけれど何万回、何百万回と繰り返したらほぼ5割に【収束】していくはずだ。なので50% だ、とする考え方です。

ベイズ派はもっと主観的で、表か裏かしかなくてどちらかが重いとかどこかが曲がっているとかそんな事がないので、半々で出るんでしょ、と考えて50%だ、とする考え方です。

この両者がギョオテに確率を伝えるとすると、次のようになります。

頻度派:

ギョオテは感染しているかしていないかのどっちかだ。感染しているなら感染している確率は100%、感染していないなら、感染している確率は0%だ。ただ、もし仮に全世界の人が検査を受けたとすると陽性が出て実際に感染していた人の割合は約8%だ。そう言う意味でギョオテは感染していないと92%だけ自信を持つ事ができる、としか言えません。

ベイズ派:「何かが正しい確率」というのは「その正しさを信じる、信念の度合い」だとベイズ派は考えます。この意味で「ギョオテが感染している確率は8%です」と言う事ができます。

——–

天気予報などで聞く降水確率や、実生活で目にする「確率」はベイズ的に解釈すれば分かりやすいです。 降水確率20%と聞いたら、さいころ投げて1が出るぐらいの可能性なんだろうな、と考えればよいでしょう。ただし「確率は120%だ!」と言う人は極力関わらないほうが良いかもしれません。

二つの見方の話は神学的論争に発展する程奥深い話です。ものすごい賢い人の追求に耐えられるほど私の頭は高級ではないので、文句のある方、不満な方は大学の数学科に進んで確率・統計学を極めてください。

余談ですが森鴎外はゲーテをギョオテと言っていたらしいです。

Copyright (c)2000-2008 QuantsResearch, Inc. All Rights Reserved.
HTML convert time: 0.433 sec. Powered by WordPress ME